概要
Copper PDFはPDF出力の元となるテンプレートをHTMLで作ることができるため、特定のソフトウェアに依存しない、既存のウェブアプリケーション開発のノウハウを流用できる、HTMLの特徴である柔軟性のあるレイアウトが可能になるという利点があります。また、サーバー側でPDFにかためてしまうため、ユーザーが使用するブラウザの違いを気にしなくてもよいということも大きな利点です。
ここでは、それらのメリットを生かしつつ、多くの人が使い慣れているオフィスアプリケーションを利用して、PDFのテンプレートを、早く、安く、簡単に作成でき、なおかつ実用的な方法をご紹介します。
テンプレート作成のためのアプリケーション
以下はそれぞれのアプリケーションをPDF出力のテンプレート作成という観点で、次の基準で3段階評価したものです(私の主観的な評価ですのでご容赦ください!)。
機能 文書の見栄えを指定する機能の豊富さです。 使いやすさ 文書の編集の簡単さです。 安定性 期待通りのHTMLファイルが得られる度合いです。 アプリケーション 機能 使いやすさ 安定性 Microsoft Office ☆☆☆ ☆☆☆ ☆☆ OpenOffice.org ☆☆☆ ☆☆☆ ☆ Google ドキュメント ☆ ☆☆☆ ☆☆☆ TinyMCE ☆☆ ☆☆ ☆☆☆
Microsoft Office(MS Office)は、事実上最も普及しているオフィスアプリケーションです。既存の文書の多くがMS Officeで作られていることと、MS Officeの操作に慣れている人が多いという利点があります。MS Officeには作成したドキュメントをHTMLとして出力する機能があります。この機能は必ずしも期待通りのHTMLを出力することが出来ず、安定性に欠けるという問題がありましたが、バージョンが新しくなるにつれ、かなり改善されました。
OpenOffice.org(OOo)は無料で使えるオフィスアプリケーションです。無料であるという魅力から、企業や公共機関でも使われ始めています。MS Officeとの互換性も考慮されており、完璧ではありませんが、MS Officeが出力したファイルを読み込むことができます。残念ながら、現状ではHTML出力機能はMS Officeより安定性に欠け、期待通りの出力結果が得られないことが多いようです。
Googleドキュメントは、ブラウザ上で動作するオフィスアプリケーションです。グーグルのアカウントを取得することで、誰でも無料で使うことが出来ます。MS Officeで作成されたドキュメントが読み込めますが、OOoに比べてもかなり機能が限られます。ただし、内部的にはHTMLベースであるためか、HTML出力に関してはほぼ確実に期待通りの結果を得ることが出来ます。Googleドキュメントには既にPDF出力機能がありますが、HTMLファイルとして出力してからCopper PDFでPDF化した方が良好なレイアウトが得られます!
TinyMCEはブラウザ上で動くHTMLエディタです。無料のオープンソースソフトウェアです。単独で使うよりは、ブログや掲示板のような、ウェブアプリケーションの組み込み用途に適しています。
今回は、MS Officeを使います。MS Officeが出力するHTMLは独特で、そのままウェブページとして公開する場合は、全てのブラウザで同様に表示できるか不安があるものですが、PDF出力に関しては問題ではありません。また、Copper PDFはInternet Explorerとの互換機能があり、MS Officeが出力するHTMLも期待通りにレイアウトできるように改良が重ねられています。
テンプレートエンジン […]